
書籍の紹介

古墳からみた倭国の形成と展開
著書:白石 太一郎(しらいし たいちろう)- 内容紹介
古墳研究に長年携わってきた著者の研究成果の集大成。近年の研究状況も踏まえて国家形成過程を論じた作品。
- 情報
- 初版年月:平成25年9月 出版社: 敬文舎
- 選定理由
本書は、弥生時代から古墳時代終末期までの国家形成過程を、特に古墳の動向を軸に、講義形式でわかりやすく解説した作品です。
特に3世紀、邪馬台国の時代にヤマトを中心とした広域の政治連合が形成された契機について、朝鮮半島の鉄資源を巡る北部九州地域と畿内・瀬戸内地域との抗争があったとする自説を力強く展開します。国民の関心の高い邪馬台国の時代について、学術的根拠を示し、前後の時代を踏まえて論理的に歴史像を構築していることは高く評価できます。
また、近年の古墳を巡る研究動向を丁寧に紹介し、その説について自身の見解も述べていますので、本書を読むことで読者は古墳時代研究の動向を知ることができます。
講義形式であるものの、文章は平易で読みやすく、図や写真などを効果的に使用していることで、理解を深めやすい工夫がなされています。古墳時代における国家形成の流れを知るには最適の書ということができます。
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