書籍の紹介

飛鳥の木簡ー古代史の新たな解明ー

飛鳥の木簡ー古代史の新たな解明ー

著書:市 大樹(いち ひろき)
内容紹介

近年、飛鳥から出土している7世紀の木簡(文字の書かれた木札)のうち、特に重要な木簡を取り上げ、丁寧に分析してその背景にある古代国家形成の歴史を読み解く。研究の最前線の成果を広く解説した作品。

情報
初版年月:平成24年6月
出版社: 中央公論新社
選定理由

 本書は著者が長年研究してきた飛鳥・藤原京地域から出土した木簡について、一般向けに記した概説書ですが、木簡研究の最先端の情報を惜しみなく盛り込んでおり、学術的にみても高く評価されます。
 本書では、木簡とはなにかをわかりやすく説明したうえで、特に重要な木簡を取り上げ、周辺の資料や考古学の成果などから分析を加えて、その木簡が作られた歴史的背景を読み解いていくもので、本書を通じて最新の研究にふれることができます。叙述は著者の木簡調査の実体験に裏付けられ、臨場感に満ちており、一般の読者も知らず知らずのうちに引き込まれていきます。
 全体として、研究史を踏まえたうえで、一点一点の木簡から多くの情報を引き出し、その背景にある古代国家形成史を描き出しており、大賞にふさわしい作品です。

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