書籍の紹介

万葉集に出会う/大谷雅夫

万葉集に出会う

著者:大谷 雅夫(おおたに まさお)
選定理由

本書は、現在も広く知られている『万葉集』について、日本語が漢字で表現されているため後世に様々に解釈され、その時代の思想で読まれてきた『万葉集』の子細な再検証をとおして、新たな出会いをもとめようとするものです。
特に、小中学校の教科書にも取り上げられる有名な「さわらび」の歌 や、柿本人麻呂の狩猟の歌については、江戸時代の著名な国学者である賀茂真淵の解釈と読みが今日まで定着してきたことを明らかにし、その子細な再検証からそれを訂正するくだりは新鮮な驚きを与えるものです。
加えて万葉集の特色である擬人表現や多数の相聞歌に込められた意味、そして従来あまり注目されて来なかった歌にも触れて万葉集の新しい魅力を引き出そうとしています。
著者とともに万葉集の謎解きをしているような感覚で万葉集の魅力に導かれる本書は、これまでにない新しいスタイルの作品となっており、優秀作品賞にふさわしいものです。

作品の概要

現在も広く親しまれる『万葉集』の従来の読みと解釈について、近世期国学の注釈史研究や中国文学との比較研究を踏まえて検証・訂正し、歌を詠んだ作者の思いに迫る。また、万葉集の特色となっている「擬人表現」「相聞歌」などの紹介や、これまであまり注目を浴びなかった作品にも触れて、万葉集の多彩な魅力を伝える。

情報
初版年月:令和3年8月20日
出版社: 岩波書店
本体:820円

著者のプロフィール

1951年、大阪府生まれ
京都大学名誉教授
専門は国文学
著書に『歌と詩のあいだ―和漢比較文学論攷―』(岩波書店)、『和漢聯句の楽しみ―芭蕉・素堂両吟歌仙まで』(臨川書店)、『万葉集』訳文篇5巻、原文篇2巻[共著](岩波文庫)などがある。

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