書籍の紹介

埋もれた都の防災学 都市と地盤災害の2000年

埋もれた都の防災学 −都市と地盤災害の2000年−

著者:釜井 俊孝(かまい としたか)
選定理由

本書は、古代ローマから現代日本までという広い地域と時代を対象として、著者が専門とする地質学・地盤工学を基本に、考古学や文献史学の成果も踏まえ、開発とそれにともなう植生の変化などによってもたらされた地盤の改変が、地震や河川の氾濫による被害を大きくしたことを明らかにするとともに、時には歴史そのものに大きな影響を与えたことにも言及しています。
近年、地震や地すべり、洪水などの大規模災害が世界各地で多発し、減災や防災が叫ばれるなか、災害と古代以来の人間の開発の歴史を説く本書は、現代的問題や関心に応える書籍でもあり、優秀作品賞にふさわしい書籍です。

作品の概要

古代から近現代までの開発の歴史や社会的背景を、地盤災害に焦点をしぼり、丁寧に解説する。多分野連携での新見解も盛り込みながら、地盤災害がその土地と人間の歴史を反映すると説く本書は、近年とみにいわれる防災について、ヒントを与えてくれる書である。

情報
初版年月:平成28年9月
出版社: 京都大学学術出版会
本体:1800円

著者のプロフィール

1957年、東京都生まれ
京都大学防災研究所教授
博士(工学)
専門は応用地質学、地盤工学
著書に『斜面防災都市』[共著](理工図書)、『地震で沈んだ湖底の村』[共著](サンライズ出版)、『宅地崩壊』(NHK出版)などがある。

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