書籍の紹介

古代日中関係史 倭の五王から遣唐使以降まで

古代日中関係史 ー倭の五王から遣唐使以降までー

著者:河上 麻由子(かわかみ まゆこ)
選定理由

本書は、倭の五王の時代から唐滅亡後までの約500年間におよぶ日中交渉の歴史を、アジア全体に目配りして解き明かします。そのなかで「天下」は自己中心の帝国的世界観のあらわれではなく、単に支配領域を指すだけで、5世紀末から6世紀はじめの倭は王位継承が不安定な状況で使者の派遣を停止したにすぎないこと、有名な「日出ずる処の天子」について仏典を典拠にしており、仏教後進国の倭王が仏法を広める国王の意味の「天子」を称したことに隋の煬帝が不快感を示したにすぎないことなど、通説と異なる新見解を説いています。
古代日本の対外交渉を、中国側からの視点も取り入れ、大きな視野から見直そうとしているもので、その意欲的な試みのなされた本作品は、優秀作品賞にふさわしい書籍です。

作品の概要

5世紀の倭の五王の時代から菅原道真による建議で遣唐使派遣計画が白紙にされた9世紀末までの日中交渉の歴史を、著者の専門とする仏教を切り口に紐解く。東アジアのみならず、アジア全体を視野に入れ、日中関係を概観し、遣隋使派遣による日本の対等関係指向などの通説を乗り越えようとする試みが本書の特徴である。

情報
初版年月:平成31年3月
出版社: 中央公論新社
本体:880円

著者のプロフィール

1980年、北海道生まれ
奈良女子大学文学部准教授
博士(文学)
専門は日本古代史
著書に『古代アジア世界の対外交渉と仏教』(山川出版社)、『東アジアの礼・儀式と支配構造』[共著](吉川弘文館)などがある。

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