書籍の紹介

国際交易の古代列島

著書:田中 史生(たなか ふみお)
内容紹介

国家間の外交史として語られがちな古代の国際交流について、時代時代の社会における交易の特質や、商人や僧侶など交易に携わった人々の姿を丹念に描くことで、交易史という観点から新たに捉えなおした書。

情報
初版年月:平成28年1月
出版社: KADOKAWA
選定理由

 本書は邪馬台国から平安時代まで、日本列島内外の交流がどのような人々によって担われ、また、それぞれの時代でどのような特質があったのかを時代を追ってわかりやすく説明しています。また、国際交易がそれに参加した国家や社会をどのように変革していったのか、またそこにはどのような人々のきずなが読み取れるのかを具体的に示した書です。
 本書では古代の国際交易が広範囲で活発におこなわれたことが多数の事例を挙げて示されています。平安時代の9世紀、交易に従事する人々が独自のネットワークを持って活動していました。このことが豊富な資料によって生き生きと描写されており、彼らを主人公とした一つの物語のように読むことができます。
 また、同時に個別の国家の内的事情や国際政治によって交易者のネットワークが変質することも語られ、まさにグローバルな現代社会において、人々が自分たちの国家のみならず、他の国家や社会と接することの意味を考えさせるものであり、古代歴史文化賞の大賞にふさわしい書といえます。

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感想

  • 紀元前から10世紀頃まで、日本列島の国際関係を通覧した本は初めて見ました。少し難しいところもありますが、異文化の人と人が接触するのに交易というような、経済を介する面が大きいことを認識することができました。現代にも通じる見方ですね。