書籍の紹介

古代国家はいつ成立したか

古代国家はいつ成立したか

著書:都出 比呂志(つで ひろし)
内容紹介

考古学の立場から、国家の形成過程を解き明かした作品。弥生時代~飛鳥時代の発掘調査成果をもとに、古墳時代に初期国家が成立したことを明快に説く。

情報
初版年月:平成23年8月
出版社: 岩波書店
選定理由

 本書は、これまでの著者の研究成果を集大成した内容の濃い著作で、入門書でありながら、研究者の知的興奮をも刺激する書でもあります。
考古学・文献史学・自然科学分野等の最新の研究動向を踏まえて、弥生時代から律令国家成立までのあゆみが論理的に叙述されている点が高く評価されます。
 「古墳時代に初期国家が誕生した」という著者の自説が明確に打ち出されていますが、著者の主張を一方的に押し付けるのではなく、様々な学説や異論を分かり易く解説してあり、目配りよく、バランスのとれた構成に配慮されています。
 纏向遺跡の大型建物の配置と3世紀前半の巨大な箸墓古墳を『三国志』魏志倭人伝が伝える邪馬台国の中心に推定し、それが、古墳時代の倭政権、古代国家へと展開したことを述べています。前方後円墳文化の成立過程が述べられ、その過程と共に、狗奴国推定地を含む東国の前方後方墳文化の併行、日本海側の四隅突出型墳墓の展開など、考古学の研究成果を広く概観すると共に、それを『古事記』『日本書紀』ならびに魏志倭人伝などの書物が伝える歴史と一体的に理解できるように説明している点はとりわけ優れたものといえます。
 一般読者を意識した平易な語り口調で記述されており、効果的に配置された図や写真など、編集にも工夫がなされていることからも、読みやすく、研究成果の分かりやすい解説となっているとともに、考古学・古代史に興味をもつ読者にとって、今期の最善の書といえます。

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